2013-06-01

日本人の死因

日本人の死因:人口動態統計から

日本人の4大死因というものがあり、それは、悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患だそうです。2位と4位の2つは発生する部位は異なりますが、基本的には同じ原因、動脈硬化や高血圧等が原因と言えます。我々が命を落とすか身体に重大な影響を与える疾病にかかる確率が示されているわけです。健康を維持したいなら、これらの疾病に対する対策は、そのまま非常に有効な疾病予防策、つまりは健康維持策になるということでしょう。積極的に生きるなら、生命保険に入るよりも、予防にそのお金を使いたいものです。

厚生省の人口動態統計の年間推計(H24)を見ると日本の人口や出生状況、死因等の現状が分かります。扱っているのは、

(1)出生数、死亡数、婚姻件数、離婚件数及び死産数
(2)4大死因(悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患)別死亡数

上記リンクは平成23年度ですが、日本人は、103万人が生まれて、125万人が亡くなっています。4大死因の死亡数は、第1位悪性新生物36万1000人、第2位心疾患19万6000人、第3位肺炎12万3000人、第4位脳血管疾患12万人だそうです。(平成23年から死因として肺炎が脳血管疾患を上回るようになり、4大死因とされるようになったようです。)

つまり、癌が36万人、心疾患と脳血管疾患を合わせた血管の病気が32万人ということです。日本人の死亡率は人口約1.1億人に対して、125万人ですから、ほぼ1%です。大雑把に毎年100人に一人が亡くなる計算です。その中で全死亡原因のうち、60%弱が癌か動脈系の疾患だということです。

一方、不慮の事故、老衰、自殺で亡くなっているひとはわずか11%、13万人です。
不慮の事故の中でも交通事故は年々減少しており、平成24年度は4411人となりました。毎年大きく騒がれているので交通事故が多い印象でしたが、自殺の方が多いことに驚かされました。でも、病気と比べると桁が違います。

そして、死亡率の年次推移をみると、昭和54年の6%を最低にして、現在の9.9%まで上昇しています。そして、平成17年に死亡率が出生率を超え、マイナスが続いてその差は年々広がっています。これはただ単に高齢化社会へ移行したことの結果でしょうか?世界がどうなっているのか確認すると、意外にも先進各国の状況は出生率が死亡率より高いのです。死亡率が出生率を上回る日本の状況は、やはりかなり特殊で、高齢化社会への変化が日本が一番著しいという事なのでしょうね。


主な死因別死亡者数の割合(これはH23のグラフ)



出生率と死亡率の統計データはさておき、日本人の死亡原因は、大まかに癌と血液循環器系の病気が3割づつと言う状況です。

癌については、癌細胞が発生して発見される大きさになるまでに十年程度の時間をかけて成長しているはずです。一度発生してしまえば、生活を変えない限りやがては大きな癌細胞へと成長していくのでしょう。癌は特別な理由がない限り、増殖に時間がかかるため、長期の対策が必要です。逆に言えば、長期の生活次第では、発生し成長していくはずの癌細胞がいつの間にか小さくなり、消えてしまうということもあるのかもしれません。

一方、血管の病気は比較的短期で予防が可能です。動脈硬化、高血圧、脂肪過多・悪性脂肪、どれも太ることと関連する症状です。死亡確率の高い病気ということは、疾病にかかる確率も高い病気ということです。死亡原因の30%が予防できるのですから、非常に高い確率で防止策が効果を発揮するのです。これは大いに努力する甲斐があるものと言えるのではないでしょうか。ストレスをあまりため込まず、慎ましくとも新鮮でバランスの良い食事を楽しみ、穏やかに身体を動かして太り過ぎず、健やかな暮らしを送りたいものです。

ある程度の年齢になると、肉体年齢は実年齢とはあまり関係なくなります。いかに心と身体のメンテナンスを心がけたかで、その身体の状態(年齢)が決まると言って良いのだろうと思います。

そう、病気に怯えながらも大雑把な生き方を変えることなく、お金だけを薬や検査、保険につぎ込むくらいなら、じっくり自分と向き合い、日常をほんの少しずつより良いものに変えていく、そんな日々を楽しんで疾病の予防を実践し、尊い命を全うする方が、何倍も素敵に思います。

沖縄では「そんなこと気にかけないで、楽しく暮らしたらいいさー」と、とっても元気な声が聞こえて来そうですが・・・(笑)。

追記:

実はこうしたデータを用いて、癌保険にはいりなさい、検査をしなさい、サプリメントや薬を買いなさいという宣伝をする場合が多いのです。

でも、保険に入ることイコール健康に暮らせることではありませんし、またサプリメントや薬を飲むことも、時として副作用など、マイナス面のあることを忘れてはならないでしょう。また、あまり早期の検査をして、例えば将来起こるかもしれない癌を確実に予防できるなら良いですが、確実な予防策がない場合、不安だけを抱え心身の健やかな暮らしを損なっては、むしろ逆効果となってしまうこともあるのでは・・・?

絶対に保険に入るな、検査をするな、サプリメントや薬を飲むな、などと言っているわけでは決してありません。

それらの有用な事も十分分かってはいるのですが、ただ、煽られ過ぎないよう、少し距離をとり、むしろ落ち着いて自分自身を見つめ、暮らし方を少しづつ良いと思う方向に変えてみる。そんな些細な暮らしと心の在り様が、ひょっとすると自分の免疫力や治癒力、生命力の向上に結構役立つこともあるのではないかしら、と、そんな風に思っているのです。

関連:日本人の死因(2)癌の進行モデル

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