実は、最近マツバボタンが庭のあちこちに増えてきて、雑草として取り去るべきか悩んでいました。
以前買ってきた園芸用のマツバボタンが勝手に自生を始めたと思い込んでいたのですが、花が咲いてみると1cmにも満たない(5ミリ程度かも)とても小さい花がほんの数時間咲くだけ。とても地味なマツバボタンです。
それでも、花が小さくて地味なのは、マツバボタンが野生に返ってしまったせいなのだろう、などと暫くはのんきなことを考えていたのです。でも、このマツバボタン、よーく観察すると種がこぼれるはずのない、我が家の庭壁の外側にも生えてきており、もしかしたら園芸用のマツバボタンとは異なる沖縄の固有種なのではと思い至り、急に気になり始めました。
実は、国立博物館の筑波実験植物園で日本亜熱帯の植物と言う展示があり、そのなかには沖縄の絶滅危惧種が展示されていました。その筆頭にあげられていたのが、オキナワマツバボタンだったのです。
その説明には、「オキナワマツバボタン:奄美群島と沖縄群島にのみ分布。2つの群島で形態的な違いがあり、分類の再検討が必要な植物」とありました。
え~! ひょっとして絶滅危惧種が我が庭のあちこちに生えてる?! そんなっ!
うーん…、どうなんでしょう?。
花の色をよく見るとピンクから紫色です。
オキナワマツバボタンは黄色の花をつけるようですので、あー、残念! どうやら違ったようです。
ピンクの花の正体は、「ヒメマツバボタン」、帰化植物でした。
それにしてもこのヒメマツバボタン、乾燥にも相当強そうで、乾燥したところでは、葉も緑ではなく黄色から茶色になって耐えています。
とても健気に逞しく生きているので、近所から苦情がこないようならば、雑草として取り去らずそっと繁殖の場所を与えることにしました。
絶滅危惧種のオキナワマツバボタンを守らねばならないのは重々承知してはいるのですけれど、帰化植物だからといって、目の前で頑張っているよく似た植物を雑草として粗末に扱うのも何だか抵抗があり、複雑な心境ですねえ。
庭にはこの他にも、自生を始めた草花が増えています。
昨年は一生懸命育てたハーブのバジルでしたが、今年は種がこぼれたのか、庭のあちこちで勝手に芽を出し逞しく成長、もうバジルに困ることはなくなりました。
台風の被害さえ少なければ、年間を通して豊かな日照と程良い雨、そして冬がとても穏やかなおかげで植物が非常に育ちやすい・・・。この沖縄の環境の良さには一年経っても驚かされます。恵まれていますね~。
今回の「マツバボタン事件」は「帰化植物」ということで、あっけなく収束しましたが、でもいつか、本物の絶滅危惧種、オキナワマツバボタンにも会ってみたいものですね。
私は松葉ボタンの偽物と思っていました。(雑草だと抜かれるので、松葉ボタンに似たのだと思っていました。あまりに滋味なので)
返信削除真実がわかってよかったです。投稿者の方はお優しい方ですね。