今日の新聞によると、八重山に大型の太陽光発電設備する工事が始まったとのこと。総工費7億5千万円、250Whの太陽光パネルを8024枚設置する予定とか。
計算すると、稼働した時には、最大発電電力が2メガワットの発電所になるということでしょう。土地も含めてでしょうが、キロワット単価は37万円。一年間に、ほぼ2200MWhの電力を供給します。一般家庭の電気なら、約500軒分の年間消費電力に相当するでしょうか?
太陽光発電の最大のメリットは、よく収入になることが宣伝されていますが、本当は、燃料効率を大幅に上げられる点にあります。燃料を輸入しそれを燃やして発電してしまえば、大量のCO2を発生してそれで終わり。でも、その石油資源で太陽電池を作り、それで電気をまかなうようにすれば利用できるエネルギーの総量を劇的に増やせるのです。
その量は、エネルギー収支で考えれば、太陽電池の寿命を20年と計算しても、燃料をただ燃やして作っただけのエネルギーの10倍、いいえ、今やそれ以上の電力を生み出してくれるようになります。
太陽電池にすることで、燃料が新たなエネルギー資源に変わるのです。日本のような少資源国にとっては重要なエネルギー資源を増やすことのできる画期的な方法です。
重要なのは、あくまで短期的な経済効果だけで考えてはいけない、ということ。
エネルギーをただ単に浪費するだけの方が、短期の経済的メリットをより多く生む場合の多いことは、再生紙のトイレットペーパーの方が値段が高くなってしまう等、紙の再資源化で学習したことです。短期で見たら、太陽電池を入れるよりも電力を使い捨てするほうが安かったりするのも、同じ理由ですね。
短期的には、大量消費と使い捨て経済は、循環型の社会を作るよりもメリットがある場合が多い、という、そこが大きな落とし穴、なのです。
でも、近年太陽電池は、その製造に必要なエネルギーを回収するのに必要な期間が0.7年から2.2年と見積もられています(エネルギーペイバックタイム)。最新の技術ではさらに短くなっているようです。
一度太陽電池を設置すれば、エネルギーペイバックタイムが過ぎた後は、寿命がつきて使えなくなるまでエネルギーを生み出し続ける、ということになり、エネルギーを有効利用するという観点からは、本当にとても効率の良いエネルギーと言えますね。
太陽電池の寿命はどのくらいでしょう?日本で初めて太陽電池を自宅に設置したのは、太陽電池の研究者でもあった元三洋電機社長の桑野幸徳氏です。1992年の7月31日に稼働し始めた自宅の太陽電池発電所は、今でも元気に発電しているそうです。既に22年ですが、初期型の太陽電池でさえ20年以上の寿命を持っています。
桑野幸徳氏はジェネシス計画という、砂漠に太陽電池を設置し、超伝導ケーブルで送電することで、砂漠をエネルギーの宝庫に変え、昼でも夜でも太陽電池で生活するという計画の実現を先導しておられます。
我が家にも設置をしたいと思っているのですが、うちの屋根の構造上、太陽電池パネルを十分な枚数設置できない点が悩ましいところです。
参考:
- 「太陽光発電とは」産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター
さらに、収支について
32円/kWhで20年の固定価格買上制度ですから、年間の買い上げ額は、2200,000KWhX32円ですので20年で売電価格はおよそ14億円です。維持費がかかりますが、ある程度の利益を生み出す計算ですね。
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