イベント情報を見ると、今帰仁村の「今帰仁グスク桜まつり」、本部町の「本部八重岳桜まつり」、名護市の「名護さくら祭り」、那覇市の「なはさくらまつり」、八重瀬町の「やえせ桜まつり」、そして離島の「久米島桜まつり」、等々…。あちらこちらで沢山の桜祭りが開催されています。
八重瀬岳で開催された、やえせ桜まつり 祭りの終わりの時間帯。賑わっていた人影もさすがにまばらに。那覇の方でしょうか、遠くの夜景も綺麗です。 |
まだ満開ではありませんがライトアップされた桜は夜景よりも夜空に映えます |
桜の開花には暖かい気温と十分な寒さの両方が必要らしく、沖縄ではその十分な寒さをもたらす寒波の南下するのを待って、先に寒波の訪れる北部エリアから、桜は咲き始めるのだそうです。
つまり沖縄の桜前線は本島北部から南部、そして離島へと「南下する」、という事。
本土とは全く逆で、ちょっと面白いですね。
そして、その桜もソメイヨシノではなく、緋寒桜(ヒカンサクラ)。これを寒緋桜と表現することもあるようですが、両者は全く同じものだそうです。
この桜はソメイヨシノのように雨や風でハラハラと花びらを散らすことはなく、もう少し丈夫。多少の雨風にはびくともせず、半月から一か月ほど咲き続け、最後は花ごとポトリと落ちるのだとか。
今夜やえせ桜まつりに出かけ、夜桜ではありましたが、ライトアップされているその緋寒桜を近くでじっくり観察・・・。すると、濃いピンク色の花を下向きに咲かせている様子が、何故か伊豆の河津桜を彷彿とさせるではありませんか!
ヒカンザクラ(沖縄八重瀬町 昼の写真) |
一瞬、伊豆の河津で河津桜を見ている?、と、錯覚しそうになりました。まさか、ここは遠い遠い沖縄です。うーん、それでもやはりとてもよく似ているような…。不思議です。
河津桜は2月上旬から3月上旬にかけてひと月あまり咲き続ける、首都圏近県エリアの桜としては、かなり早咲きの桜として今では有名です。私はかの地に縁があり、河津桜はとても身近な存在でしたので記憶はかなり鮮明なつもりですが、その花の色や、形、付き方はまるで今日見た緋寒桜・・・。
河津川と河津桜(静岡 河津町) |
???…。で、ちょっと気になり調べたら、なんと河津桜はオオシマザクラとヒカンサクラの自然交雑種と推定されているのだそうです。なんと、半分は同じ種だったようですね…。どうりで似ているわけです。
でも、私達にとって縁もゆかりも無かった沖縄という遠く離れた地に咲く桜が実は慣れ親しんでいた桜の姉妹だった、という新しい発見に、なんとも不思議なご縁を感じた一日でした。
河津に偶然河津桜をもたらしたのは、遠い沖縄と大島や伊豆を行き来していた鳥達の仕業なのでしょうか?それとも、誰かがそっと持ち込んだ緋寒桜やオオシマサクラの苗が起源だったのでしょうか?そのルーツにまで思いを馳せると、大自然のロマンを、そして人や自然の営みの面白さを感じてしまいます。
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