2015-02-28

本当の時間って?

「時計の示す時間と自然のサイクルのどちらを選びますか?」 

済みません。
こんな質問、突然されても意味が分かりませんよね・・・。

閏年など自然の微妙なサイクルに合わせるため微調整も必要ですが、時計は安定して正確に時を刻んでくれる、という点で私達の日常に不可欠なものですね(もっとも今は腕時計というよりは携帯やスマホが時計代わり、という時代ですが)。

その一方、日の出日の入り、日中の太陽の動き、星の動き、温度の変化、それに伴う私たちの暮らしのリズムに素直に従っていさえすれば、たとえ時計のようなものが無くても、実はあまり問題なく生活できてしまうのでは、と、思うこともあります。


確かに、1分、1秒を争うようなときには、時計の示す正確な時間は役立つのかもしれません。でも、1時間単位で生活するだけなら、ひょっとしたらそこまで正確に分からずともあまり問題は起こらないかも、と思ったりするのです。実際には、磨きをかければ我々自身の感覚ももっと鋭くなるのかもしれませんし・・・。

でも、人工の照明を用い夜も暗くならない、雨戸を閉めれば、朝日も入らない生活をしているならば、多分頼りは時計だけ、という事になりますよね。裏返せば、時計の便利さが我々を自然のサイクルから解放してくれた、と言うことも出来るわけですね。

ただ、この一見自由の広がったように見える現代の暮らしが、実は逆に私たちを縛っているのではないか、と疑問を持つことがあります。根底にもっと解放された本来の生き方があるのでは、という思いです。


パソコンもスマホも持たず、情報から遠ざかり、時間を忘れ、何もしない一日をゆっくり過ごす。現代を生きる私たちにとって、これ程贅沢なことは無いのかもしれません。

慌ただしく時間に追われる日常を忘れると、本当の「自分の時」が戻ってくるかのようです。

2015-02-12

奥武島も春の気配

2月に入ると沖縄にも北からの寒気が流入、ここしばらく、珍しい程の寒い日が続いていました。

9日には南部でも一日の最低気温が8℃を記録、平均気温が10℃から12℃、最高気温も15℃と、びっくりするほどの寒さです。

それでも、その一方で海の色や日差しには既に十分な春の気配を感じます。やはり、ここは沖縄ですね…。

今日は、穏やかな日和の休日でしたので、久しぶりに奥武島へ。

曇りの多い冬から、春らしい空に。
お陰で海の色も綺麗になってきました。
今日もここで、日常とは全く別の、ゆったりとした豊かな時の流れをしみじみ味わい、、身体の底からリラックス。不思議ですが、ここは何度訪れても、別世界です。

建国記念日の休日ということもあり、島の天ぷら屋さんはとても混雑していました。待ち時間30分程とのことでしたので、注文してからまったりと海岸の散歩を楽しみに・・・。

堤防の外側に、かつては広い珊瑚礁であったはずの海岸が広がっています。

その上を歩きながら、

「考えてみるとこの珊瑚達は元は海の中にいたはずで、つまりこの地面はほんのちょっとだけ隆起して陸地になっている、という事なのかしら、と。そしてここが隆起したのはいつ頃のことなのかしら?
でも、よく考えたら、自宅も含めて沖縄南部はどこも、実はすべてそんな隆起した土地なのねえ・・・。」

こんなこともちらりっと頭に浮かび、海と大地の長い長い歴史に一瞬思いを馳せました。

けれど、足元に広がる綺麗な海中に生息する様々な生き物達が目に入ると、彼らを眺めるのについ夢中になり、そんな思いもいつの間にか遠のいて・・・。

まだヤドカリの数は多くないようです。

岩のりも育っているようです。

天ぷらと一緒に沖縄そばをいただきました。
近くで遊んだり休んでいる猫さん達を眺めながら、天ぷら、沖縄そば、ジューシーを頂いていると、その中の2匹の猫さんがフッと、近づいてきました。気がつくと足元にちょこっと座っています。

「名前は?」と聞くと、二度も「アーオ」と答えてくれました。で、急遽、一匹の名前は「青ちゃん」ということに。

なんとなく猫さん達と一緒に食事をしているような気分になります。こんなまったりとした猫さん達も、ここ奥武島の時の流れを豊かに感じさせてくれる一因なのかも、と思います。

今年初めてのぜんざいも頂きました。
そして、暑い訳ではないのですが、デザートに今年初めてのぜんざい(かき氷)も頂いてしまいました。程よい甘さとボリュームで、食後にピッタリ、美味でした。


2015-02-01

やえせ桜まつり、緋寒桜と河津桜

一月末から二月の頭にかけ、沖縄では、日本一早い桜の開花が見ごろを迎え、本島各地の桜スポットが多くの見物客でにぎわっているようです。

イベント情報を見ると、今帰仁村の「今帰仁グスク桜まつり」、本部町の「本部八重岳桜まつり」、名護市の「名護さくら祭り」、那覇市の「なはさくらまつり」、八重瀬町の「やえせ桜まつり」、そして離島の「久米島桜まつり」、等々…。あちらこちらで沢山の桜祭りが開催されています。

八重瀬岳で開催された、やえせ桜まつり
祭りの終わりの時間帯。賑わっていた人影もさすがにまばらに。那覇の方でしょうか、遠くの夜景も綺麗です。
まだ満開ではありませんがライトアップされた桜は夜景よりも夜空に映えます

桜の開花には暖かい気温と十分な寒さの両方が必要らしく、沖縄ではその十分な寒さをもたらす寒波の南下するのを待って、先に寒波の訪れる北部エリアから、桜は咲き始めるのだそうです。

つまり沖縄の桜前線は本島北部から南部、そして離島へと「南下する」、という事。
本土とは全く逆で、ちょっと面白いですね。

そして、その桜もソメイヨシノではなく、緋寒桜(ヒカンサクラ)。これを寒緋桜と表現することもあるようですが、両者は全く同じものだそうです。

この桜はソメイヨシノのように雨や風でハラハラと花びらを散らすことはなく、もう少し丈夫。多少の雨風にはびくともせず、半月から一か月ほど咲き続け、最後は花ごとポトリと落ちるのだとか。

今夜やえせ桜まつりに出かけ、夜桜ではありましたが、ライトアップされているその緋寒桜を近くでじっくり観察・・・。すると、濃いピンク色の花を下向きに咲かせている様子が、何故か伊豆の河津桜を彷彿とさせるではありませんか!

ヒカンザクラ(沖縄八重瀬町 昼の写真)

一瞬、伊豆の河津で河津桜を見ている?、と、錯覚しそうになりました。まさか、ここは遠い遠い沖縄です。うーん、それでもやはりとてもよく似ているような…。不思議です。

河津桜は2月上旬から3月上旬にかけてひと月あまり咲き続ける、首都圏近県エリアの桜としては、かなり早咲きの桜として今では有名です。私はかの地に縁があり、河津桜はとても身近な存在でしたので記憶はかなり鮮明なつもりですが、その花の色や、形、付き方はまるで今日見た緋寒桜・・・。

河津川と河津桜(静岡 河津町)

???…。で、ちょっと気になり調べたら、なんと河津桜はオオシマザクラとヒカンサクラの自然交雑種と推定されているのだそうです。なんと、半分は同じ種だったようですね…。どうりで似ているわけです。

でも、私達にとって縁もゆかりも無かった沖縄という遠く離れた地に咲く桜が実は慣れ親しんでいた桜の姉妹だった、という新しい発見に、なんとも不思議なご縁を感じた一日でした。

河津に偶然河津桜をもたらしたのは、遠い沖縄と大島や伊豆を行き来していた鳥達の仕業なのでしょうか?それとも、誰かがそっと持ち込んだ緋寒桜やオオシマサクラの苗が起源だったのでしょうか?そのルーツにまで思いを馳せると、大自然のロマンを、そして人や自然の営みの面白さを感じてしまいます。