2014-08-23

沖縄ではホタルの赤ちゃんも?

最近、日暮れの散歩中に、道路や路肩の草むらで青く光るものを見るようになりました。

道を横切る光の軌跡(拡大)
「もしかしてホタル?」と思ったのですが、近づいてライトを当てて、飛び跳ねそうになりました。 ・・・・・毛、毛虫? というか、よく見ると毛は無く、節足の類に見えます。とにかく、見ていてけっして気持ちの良いものではありません。

これは何? なにやら寿司ネタのシャコにも似ていますが…。
光っている虫
しかも、そのお尻の先が光っています。それも弱い光ではなく、結構強い光で、点滅もせず、ずっと光り続けています。

足6本、尖った白いものが付いているのが頭のようです。
反対の丸まってる部分がおしりで、グリーンに光っているのですが、
フラッシュが強すぎて光が見えません。

うーん…。 一体こやつは何者??? こんな生き物見たことないけど、なんでこんなに光るのかしら・・・? まるで、地面を歩くホタルの様でもあるけれど…。

そこで頭にひょこっと閃いたのが、「もしかして、これが陸ホタルの幼虫?」 

ゲンジボタルなど水棲ホタルとは別に、陸棲のホタルも山中などにいることは知っています。

もうずいぶん昔の事になりますが、小川どころか水場さえない富士山麓で夜、幻想的な光を放っている陸ボタルを見かけたこともありました。先日訪れた国頭の山中にも陸ホタルが居る、と伺ったばかりです。

でも、幼虫についての知識はまるでなく、まさか? 陸ホタルは幼虫も光るの?しかも、山と呼べるべくもない、こんな丘の上の住宅街で?

家に帰って調べてみると、ビンゴ!

やはり「オオシママドボタル(オキナワマドボタル)」の幼虫でした。

葉に止まってじっとしていますが、お尻は光っています。
これがホタルの赤ちゃん(幼虫)? どこに居てもお見通し。
真っ暗な中で自分で光って居場所を教えてくれるのですから。
この陸ボタルの幼虫はひたすらライトを灯して活動をしているのです。幼虫は、成虫と異なり、雄だけでなく、雌も光るのだそうです。しかし、幼虫が光ることにどんなメリットがあるのか不思議です。真っ暗な中、とても目立つので、簡単に夜行性の生き物たちの餌食になってしまいそうなのですが…。それとも、光が強いので、さすがの動物たちもちょっと不気味に思い、敬遠してしまうのでしょうか。
(あとで調べてみると、ホタルの仲間は水棲、陸棲関係なく、ほとんどの種類が卵や幼虫の時に光るのであって、成虫になると多くは光らないのだそう。その中に、ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルやこのオオシママドホタルのように、成虫になっても光るものがいる、というのが正解でした。また、ホタルには独特の匂いがあり、これを嫌う捕食者も多いのだとか。光を発して目立つことで、「あの臭い虫だ、食べるのはやめよう」、と直ぐに気付いてもらえるようにしているのかもしれませんね。)

この、「オオシママドボタル」は、マイマイを餌にしている、とあります。

我が家の周辺には今の時期、カタツムリが沢山います。確かに、食べ物さえふんだんに確保できれば、何も山である必要はないのでしょう。住宅街でも生育環境としては十分、という事なのですね。
成虫は9月から1月にかけて観察できるとあります。でも、今の幼虫の状況からすると、この幼虫達がさなぎになり、羽化するのはまだまだ先のようです。

ネットでは、「八重瀬町のガマで11月に光る虫が飛んでいるのを見かけましたが、この虫は何ですか?」というような質問もありました。やはり秋から冬にかけ、光りながら飛び交う様を目にすることが出来るようです。

それ以降、近所の暗い道のあちこちで、このホタルの幼虫を頻繁に見かけるようになりました。

これも歩いている幼虫(しっぽに2ヶ所光っているものがあります)
尾を丸めて、伸ばすを繰り返し、シャクトリムシのように歩くので、こんな軌跡になります。

これらの幼虫が成虫になるのが楽しみですが、幼虫達もあちらこちらで光って結構賑やかです。先日は2匹ほどですが、同じ色の光がひらひらと舞っていましたので、8月の下旬で既に成虫になったものもいるようです。

暗い場所にいけば、近所でもホタルの観察が楽しめるなんて贅沢です。楽しめるのは「容姿」ではなく、あくまで、その「光り」ですけれど、また楽しみが増えました。

沖縄は八重瀬の我が家の周辺には、鳥、コウモリ、ヤギ、牛、豚、アヒル、マングース、ハブ、犬、猫、ヤモリ、マイマイなど沢山の生き物が生息しており、それだけでも十分にワクワクドキドキ、楽しませてもらっていますが、そこに今回、ホタル(の赤ちゃん)まで加わりました。

逞しく生きている色々な生き物達の息吹を身近に感じられる…。

幸せな事だなー、と思います。





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