2013-07-29

身体と心のバランス

少し前に、「適度な運動は脳を活性化して思考力や記憶力などを高めることにもつながるらしい」、というようなことを書きました。
同時に、この適度な運動が「興奮もしやすいけれど、リラックスもしやすい脳の状態を作り出すらしい」、というようなことも書いたような気がします。

これはそのような研究結果が報告されていた(運動と脳の関係)、ということで少しご紹介したわけなのですけれど、実はそういう事を書いている時にふと「筋肉」のことが頭をよぎりました。

私は仕事柄、色々な患者さん達の筋肉を意識する事が多いのですが、筋肉にもやはり「良い状態」と「悪い状態」があり、先ほどの脳と同様、「興奮しやすい、つまり、緊張収縮しやすいけれど、リラックスつまり弛緩もしやすい」筋肉が、「良い状態にある」、と言えるのだろうと思っています。

これって、言い換えると、「必要な時にちゃんと働き、働く必要の無い時にはきちんと休める」ということですよね。
完全に脱力しきった隙だらけの寝顔、お見事!
でも、これはなにも脳や筋肉に限ったことではないのでしょう。

内臓であろうと、血管であろうと、神経であろうと身体の一部であることには変わりなく、それぞれが「きちんと機能すべき時に十分機能し、休むべき時には十分休める」のが、それぞれにとってやはり「良い状態」ということなのではないでしょうか。

人間の身体は、当たり前ですが生き物ですから、「死」という終局を迎えるまでは本質的にはずっと機能し続けていなければなりません。ただその、「的確に機能し続ける」為には「程よく休息する」ことも必須なのでしょう。

そして、この「機能」と「休息」のバランスが乱れ、「機能すべき時に機能すべきものがうまく機能しない」または、「休息すべき時にうまく休息出来ない」状態が長く続いて、体調不良や「病」という状態を引き起こすのだろうと、思っています。

バランスが乱れる原因は様々です。過度の運動や労働であったり、仕事上或は個人的な精神的ストレスであったり、食べ物の取り方、就寝の仕方であったり、酒やタバコといった嗜好品であったり・・・。それらが複合的に作用して原因となる場合も多々あるのでしょう。

「機能」と「休息」のバランスが元に戻りさえすれば、結果的に体調不良が解消することも多いのでしょうが、でも、一度崩れたバランスを元に戻すのは結構厄介かもしれません。というより、そもそもどのような塩梅ならバランスが上手く取れるようになるのか、それすらなかなか当の本人でも分かりにくかったりするわけです。

動き過ぎを戒め、程よく動いているつもりであっても、なお、身体にとっては過剰に動き過ぎであったり、或は逆に動きが少なくなり過ぎていたり・・・。休息が不足していることに気が付き、「十分休息した」つもりであっても、なお、身体にとっては休息不足であったり、逆に休息し過ぎであったり・・・。

更には「動きの質」、「休息の質」というものもあるようですよね。

短い時間でも身体にとって十分となる質の良い「動き方」や、「休息の仕方」・・・。リズムや呼吸といったことも関係するのでしょう。


自分をじっくり見つめ、本当に深く深く自分自身の心と身体を知り尽くさなければ、「身体そのもののバランスを取ること」も「心のバランスを取ること」も、ましてや「身体と心の絶妙なバランスを取ること」なんて容易には叶わないことなのかもしれませんねえ。

考えていくと「ハ~」と、思わずため息が出そうになりますが・・・。

でも、この「バランスを上手に取る」という生き方は、健康体を維持するということだけでなく、どうも人生すべてに通じることのように思えてなりません。ま、人間関係のバランスが上手に取れればストレスも減るでしょうし、健康体を長く維持できれば充実した人生を送れる可能性も相当高まりますものね、当たり前かもしれませんね。

バランスの取れた食事、バランスの良い、暮らし方、働き方、人間との付き合い方・・・。
己を知った落ち着いた人生からこそ自然に紡ぎ出されるものなのかもしれませんが、私のような凡人にとっては生涯かけてチャレンジしたいことの一つ、かな。

でも、たまにいらっしゃいますね、なんだか飄々として軽やかに身体と心のバランスを見事に保ってらっしゃる方が・・・。そういう人を「人生の達人」と呼ぶのでしょうか・・・。

ちょっと憧れます。



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